植毛の知識

自毛植毛の歴史

自毛植毛というと最近開発された技術かとお思いになる方が多いのですが、100年近くの歴史を重ねて試行錯誤の上に生まれた、非常に完成度の高い施術法です。 1800年代から脱毛の治療に皮膚移植が提案され、いろいろな手術方法が報告されてきました。

【自毛植毛手術の幕開け】

わが国でも、1930年笹川正男医師、1939年奥田庄二医師、1943年田村一医師らが自毛植毛の手術手技に関する優れた研究をしました。しかし、戦争などの理由で、それらの成果は世界に知られることなく、埋もれてしまいました。 その後1959年に米国のドクター・ノーマン・オレントライヒが奥田の研究を男性型脱毛症への手術治療法として発展させ、1970年以降に奥田・オレントライヒ法として世界に広がり、これが自毛植毛手術の幕開けになりました。 初期の自毛植毛はパンチ・グラフトと呼ばれ直径4~5mm程度に頭皮を毛根ごとくり抜き、これを薄毛部位へ植毛していました。結果としてパンチ・グラフトでは20~30本の頭髪が束になって生えるので自然さに欠けるという難点がありました。

【進化し続ける自毛植毛】

1992年、ブラジルのドクター・ウェペルが小さくした植毛株を1,000株以上植毛するメガセッションを可能にしてから、飛躍的に自毛植毛技術が進歩を遂げました。 大きく変わったことは、植毛株の大きさです。数10本単位の植毛株だったのが、1本、2本、3本、4本と自然に生えている毛穴単位の植毛になり、生え際なども自然に仕上がるようになりました。 1993年、アメリカのダラスで初めて、国際毛髪外科学会が開催され、数千人規模の学会となり、自毛植毛という医療技術が世界的に注目されるようになりました。これを機に優れた植毛技術や植毛器具が次々と考案され、米国内での手術件数は年間9万件程度と報告されています。